初倖(うゆき)がお送りする
独り言ブログ。
/「なづゆき」「帝雅」って名前も使ってる/
大した事は書けませんが
基本的に日常的な記事が無ければ
詩や小説、論などを記しています。
ペットのことや、その日あったことも書けたらなあ。
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是非ともコメントお願いします。
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サビシイ
君と出会ったのは、晴れやかな月の出ている日だった。
その日は深々としていて、冷たい風が肌を撫でるような。虫の声も人の足音もなかった。電気の点いた暖かそうな家からもれる人の声だけが夜道に響いていた。
僕は小さく丸まってた。その寒さから逃れるために……。このまま寝たら、なんだかもう起きられない気もした。
遠くから聞こえてきたのは、学校帰りの君の足音。君は小さな僕に気づいて、わけもわからず怯える僕に手を差し伸べて。
小さく呻いて抵抗する僕を、その温まった懐にしまいこんで、自分の家に連れて帰ってくれた。
汚れた僕を丁寧に洗ってくれて、ミルクをくれて、ソレを必死で舐めて飲む僕のことを、君はずっと微笑みながら見てたってこと、もちろん、気付いていたさ。
僕が満足して君を見上げたとき。その時のことば、いまでもちゃんと憶えてる。
「君が嫌じゃなかったら、家族になろう」
って。
あの時はわからないながらも嬉しかったことば。いまはもっと嬉しく感じるよ。
君は僕に寝床も、えさも、そして証である首輪もくれた。薄く色づく灰色の毛に、黒く映えるやつだったね。
君と散歩に出た時々も、遊んだ時々も、大切な思い出だ。
だから僕も、遠慮しないで、沢山イタズラもしたけど、沢山甘えて、沢山愛情表現した。君は笑っていたけれど、本当にわかってくれていたのかな? 僕がどれだけ、君が大好きだったかを。
でも、それもだんだん出来なくなっていってた。君にはいつもと変わらない態度をとっていたけど、実は、自分でも知ってたんだ。
僕にはもう時間がない、ってこと。
ありがとうじゃ足りないくらいのありがとうを、長い間共に過ごした日々の喜びを、表現出来なくて。
どうやっても伝わらない「ありがとう」や「大好き」を伝えられたかな。
僕はいつまでも見守ってるから、……見守ってるけど、君には幸せになって欲しいから、僕を忘れてくれてかまわないよ。
かまわないから、お願い、もう、泣かないで。
表面で強がったフリをして、心の中で泣かないで。僕はわかってしまった。その涙で。
君がどれほど僕を愛してくれていたか。
わかって嬉しいはずなのに、何でかな。
僕にはないはずの……感情の雫が、僕の目からも溢れて止まらないんだよ。
ありがとう、大好き、……寂しい。
「いつまでも一緒に居たかったよ」
なんて、僕もだよ。
僕は君が大好きだから、君の『さびしい』を僕が食べていく。
二人分で一つの『寂しい』を僕が抱えるから、君は幸せを抱えてください。
ジカン
私は大学へ行くために一人暮らしをしていた。
でも学校ではあんまり話せなくて、ずっと俯いてばかりだ。もう何も彼もやる気がなかった。
そんな日々の過ぎたある寒い夜、バイト帰り。道の途中に小さな毛玉が丸まっていた。震えていて、汚れていて、怯えた目をしていた君を、放っておけばいいものを、私は拾った。
冷たい君のことを、温まっていたコートのなかにしまいこんで、出来るだけ暖めようとした。
アパートはペット可だったし、私以外何者もないし。
この空虚な空間に、小さなぬくもりが、欲しいって思った。
君は逃げようとすることもなく、私のもとに居てくれて。
時に大切にしていたものを壊されたりして怒ったけど、時に私にすり寄ってくれて。私が落ち込んだときなんか、わかるのか、そっと静かにそばに居てくれてたよね。
君が来てくれてから、大学のひとたちに「雰囲気変わったね」って言われるようになって、沢山の友人が出来た。
私がもっと大人になって、就職して、家に居る時間が短くなっちゃって。独りにしてごめんね。大切な時間を孤独に過ごすこと……させてしまった。
君が日に日に痩せていること、なかなかどうして気づかなかったんだろう。悔しいよ。
私が仕事から帰って、出迎えてくれない君があって。窓ぎわに横たわって、ゆすってもピクリともしてくれない君を……抱きかかえた。
嫌だ、嫌だよ。
君はどんな気持ちだったろう?
私を恨んでくれてかまわない。
だって全部私が悪い。
ごめんね、大好きだよ、目を開けて……。
私より後に生まれてきて、私より先に逝く君を、今すぐに追いかけたい。
追いかけたいのに、足が動かないの。やりたいことだって沢山ある。
私はどちらを望むべき?
君は炎の中で、骨になって。私の家の中に居るけれど、ぽっかり空いたこの感覚はどうすればいいの?
ううん、大丈夫。
君に心配なんてさせないから。……ねえ。
あのときあんなに哀しかったのに、時のせいか、もうさびしくないの。私には恋人も出来て、子供も出来て、ひとりじゃない。
やりたいことも、嫌なことも、ぜんぶぜんぶ受け取った。
君の記憶はだんだん薄れていく。
でも、君を忘れないよ。……忘れたく、ないよ。
思うほどに時間は経って、私は自分を行き抜いた。だけど、だから。
今から会いに逝くね。
君との時間を過ごしにゆくね。
―――――――
これが部活に出した
文化祭前最新作かな。
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腐女子ですよ。
テンションの高い人、又はノリの良いひととなら気軽に絡めます。
コスプレ活動しつつ社会人で(逆)気ままに過ごしてます。
趣味で小説を書き詩を書き絵を描く。
Pixivに生息してます。
相互リンクはいつでも募集中。
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