初倖(うゆき)がお送りする
独り言ブログ。
/「なづゆき」「帝雅」って名前も使ってる/
大した事は書けませんが
基本的に日常的な記事が無ければ
詩や小説、論などを記しています。
ペットのことや、その日あったことも書けたらなあ。
読んでくださるっていう方は
是非ともコメントお願いします。
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本垢 @_other_world_
コス垢 @nadu_cos
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「言わないなら何も信じられないな。まあ、それはおいといて。遅れたけど、僕は紅輝-コウキ-って言うんだ。君は?」
「・・・・・・私に名前なんて無いわ」
「そんなはずないでしょ」
「事実よ。あっても無意味」
少女は自分の両掌を見つめた。
「どうせ死ぬのだもの」
「・・・・・・・・・」
紅輝は溜息を吐いた。そしてよしっと意気込む。
少女が何だろうと首を傾げると指を差した。
「君の名前は蒼希-ソウキ-!」
「・・・は?」
「僕はあかだから、君はあおだよ。いいね、兄妹が出来たみたいだ」
勝手に蒼希と名づけられた少女は唖然とする。
言葉すら紡げず、口をぱくぱくと開閉させる。
「宜しくね、蒼希」
「・・・・・・っ。だから、私はどちらにせよすぐに死ぬのだから・・・・・・」
「あるところに、ひとりの女の子がいました」
蒼希の声を遮って、紅輝は切り出した。
「その女の子は生まれたときから体が弱く、病気をわずらっていました」
「な・・・なに・・・?」
「あるとき、ひとりの男の子と出会いました。ふたりはすぐに仲良くなって遊びました」
紅輝が蒼希の隣に座る。
「でも、そんな時間は長くは続きませんでした」
何を見るわけでもない。
紅輝はただ天井を見上げながら言うだけだ。
「女の子の容態は悪化するばかりです。あるとき、衰弱した女の子は言いました。」
『きっとね、生あるものはそれぞれの宿命を負って生まれてきたの』
『その宿命を果たして、生きた証を残して・・・ううん、誰に知られなくてもいい』
『それをいま証明するために、名前ってあると思うの』
『あなたの名前は素敵ね』
『だって、紅く、輝いているんでしょう? 生の印ね』
「女の子は最後の最期まで笑っていました。・・・果たして、彼女の宿命とは何だったのでしょう・・・・・・?」
「何・・・って・・・」
「その子は最期まで・・・死にたいとも生きたいとも言わなかったよ」
ただ・・・・・・さいごまで幸せそうだった。
「・・・・・・宿命があるとしたら、私の宿命は自らが死んで世を救うことね」
「死ぬのは宿命じゃないよ。愚行だ」
「・・・では、殺されること、かしら?」
「それも一緒だろ!」
蒼希がふうと息を吐く。
「・・・教えてあげるわ。・・・禍」
「え?」
「死者の国と生者の国が繋がってしまうことよ」
天国、地獄と名称される世界――死者の国。
今、この全てが生きている世界――生者の国。
繋がってしまうと、生者は死者に飲み込まれる。死者はもともと死者でしかないから、生者は勝つことは出来ない。
「・・・なんで?」
「だから」
紅輝の問いかけに、蒼希が更に説明しようとしたとき。
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「・・・・・・私に名前なんて無いわ」
「そんなはずないでしょ」
「事実よ。あっても無意味」
少女は自分の両掌を見つめた。
「どうせ死ぬのだもの」
「・・・・・・・・・」
紅輝は溜息を吐いた。そしてよしっと意気込む。
少女が何だろうと首を傾げると指を差した。
「君の名前は蒼希-ソウキ-!」
「・・・は?」
「僕はあかだから、君はあおだよ。いいね、兄妹が出来たみたいだ」
勝手に蒼希と名づけられた少女は唖然とする。
言葉すら紡げず、口をぱくぱくと開閉させる。
「宜しくね、蒼希」
「・・・・・・っ。だから、私はどちらにせよすぐに死ぬのだから・・・・・・」
「あるところに、ひとりの女の子がいました」
蒼希の声を遮って、紅輝は切り出した。
「その女の子は生まれたときから体が弱く、病気をわずらっていました」
「な・・・なに・・・?」
「あるとき、ひとりの男の子と出会いました。ふたりはすぐに仲良くなって遊びました」
紅輝が蒼希の隣に座る。
「でも、そんな時間は長くは続きませんでした」
何を見るわけでもない。
紅輝はただ天井を見上げながら言うだけだ。
「女の子の容態は悪化するばかりです。あるとき、衰弱した女の子は言いました。」
『きっとね、生あるものはそれぞれの宿命を負って生まれてきたの』
『その宿命を果たして、生きた証を残して・・・ううん、誰に知られなくてもいい』
『それをいま証明するために、名前ってあると思うの』
『あなたの名前は素敵ね』
『だって、紅く、輝いているんでしょう? 生の印ね』
「女の子は最後の最期まで笑っていました。・・・果たして、彼女の宿命とは何だったのでしょう・・・・・・?」
「何・・・って・・・」
「その子は最期まで・・・死にたいとも生きたいとも言わなかったよ」
ただ・・・・・・さいごまで幸せそうだった。
「・・・・・・宿命があるとしたら、私の宿命は自らが死んで世を救うことね」
「死ぬのは宿命じゃないよ。愚行だ」
「・・・では、殺されること、かしら?」
「それも一緒だろ!」
蒼希がふうと息を吐く。
「・・・教えてあげるわ。・・・禍」
「え?」
「死者の国と生者の国が繋がってしまうことよ」
天国、地獄と名称される世界――死者の国。
今、この全てが生きている世界――生者の国。
繋がってしまうと、生者は死者に飲み込まれる。死者はもともと死者でしかないから、生者は勝つことは出来ない。
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初倖
性別:
女性
職業:
ニートじゃないよ!
趣味:
絵描き、物書き、カラオケ、コスプレ
自己紹介:
うだうだしてます。
腐女子ですよ。
テンションの高い人、又はノリの良いひととなら気軽に絡めます。
コスプレ活動しつつ社会人で(逆)気ままに過ごしてます。
趣味で小説を書き詩を書き絵を描く。
Pixivに生息してます。
相互リンクはいつでも募集中。
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