初倖(うゆき)がお送りする
独り言ブログ。
/「なづゆき」「帝雅」って名前も使ってる/
大した事は書けませんが
基本的に日常的な記事が無ければ
詩や小説、論などを記しています。
ペットのことや、その日あったことも書けたらなあ。
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「・・・それで、貴方はいつ私を殺してくれるのかしら」
少女は少年の家に居た。
少年と少女以外そこには誰の姿もなく、ただ静かな空間。
愛玩動物など保護者など、そんな生き物の気配は窺えない。
「まだだよ。いいじゃないか、もう少しくらい」
「・・・早く、はやくしなければ」
「なんでそんなに急ぐのさ?」
「早く死ななければ、禍が起こるのよ」
少年がお客用のマグカップにココアを注ぎ、少女に手渡す。
少女はそれを受け取って、少しだけ啜った。
「私は私自身で死ぬ事が出来ない。・・・否、恐いからとかではなく、ただ・・・そういうふうなの」
「・・・・・・いやまあ、それは置いといて、禍って?」
「禍は禍。私が生きていることで起こってしまうこと」
静かに持っていたカップを透明なテーブルの上に置く。
ストーブの火の音だけが静寂を妨げた。
「だから」
少女は少年の袖を掴んだ。
「だから、早く私を! 私を殺して!!」
まっすぐな視線を送る。
だが少年は黙って自分のココアを口にした。
「・・・駄目だよ」
「・・・・・・・・・何故? 貴方も私を殺せないと言うの?」
袖からその手が落ちる。
「今まで幾度と其処行く人間に言ってきた。けれど、駄目。誰も私を殺せなかった。みんな殺してくれなかった」
「・・・この家はね、今は僕しか居ないんだ。父さんも母さんも仕事で別々。アメリカとオーストラリアに居る」
「え・・・?」
「二人とも互いを愛し合ってはいるけれど、仕事も捨てられなくて、・・・別れちゃってる」
「それが・・・なに?」
「僕一人だとこの家は広いんだ。もうちょっとだけ、君と過ごすっていう時間を取ってからじゃ、駄目かな?」
少年は淡く微笑む。
対し、少女は複雑そうな顔をしていた。
「禍が」
「禍って何? 起こっても居ないことに対して、君が死ぬなんてわけわかんないな」
「起こるのよ。もう準備は整ってしまった」
「・・・内容が知りたいなぁ」
「・・・・・・・・・説明、しにくいけど」
少女はそれきり黙った。
黙って自分が受け取ったカップをじっと見つめたまま。
少年は手元のココアを飲み干して、口を開いた。
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HN:
初倖
性別:
女性
職業:
ニートじゃないよ!
趣味:
絵描き、物書き、カラオケ、コスプレ
自己紹介:
うだうだしてます。
腐女子ですよ。
テンションの高い人、又はノリの良いひととなら気軽に絡めます。
コスプレ活動しつつ社会人で(逆)気ままに過ごしてます。
趣味で小説を書き詩を書き絵を描く。
Pixivに生息してます。
相互リンクはいつでも募集中。
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